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アーユルヴェーダが教えてくれる 「食べる = リスペクト」


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私たちは、当たり前のように「食べる」という行為をしています。
お腹が空いたから、時間だから、なんとなく...。
でもアーユルヴェーダでは「食べること」はただの習慣ではありません。

アーユルヴェーダでは、食物は身体だけでなく、心、そして魂にまで影響すると考えられています。
「食は薬である」と同時に、「食は心をつくり、人生の質にまで影響する」という考えが根底にあります。
この視点を持つだけで、食事の時間は驚くほど豊かになります。ここではアーユルヴェーダ初心者さんに向けて、食べ物・人・場所・時間へのリスペクトを軸に、心と体が整う「食べる知恵」をご紹介します。

現代の食生活では、オーガニック、発酵食品、グルテンフリー、白砂糖不使用など、“身体に良い食事”への意識が高い人がとても増えてきました。それは素晴らしいことです!

アーユルヴェーダは、もう一歩深く踏み込みます!
五大栄養素では語りきれない、目に見えないエネルギー「オージャス」をいただいているという視点です。

オージャスとは、身体と心を健やかに保つ、活力の源となる生命エネルギー。
これが満ちると、私たちの表情はやわらぎ、穏やかさや活力が自然とにじみ出ます。
そのオージャスを生むための条件が──

“食べる=リスペクト”という考え方です。


1⃣「リスペクトされているものを食べる」ということ

私たちは食材そのものを口にしているようでいて、実はその背景にある“エネルギー”までもいただいています。

▷目で見て・香りを味わい・触感や音を楽しみ・味そのものを感じることにワクワクしながら食べていますか?野菜や穀物は自然の恵みであり、誰かが育て、収穫し、運び、調理しているもの。

▷良い気持ちで食事を作り、良い気持ちで食卓に居ますか?

▷心地の良い空間で、一緒に居て心地の良い人と食べていますか?
食べる場所は、心と体に影響します。散らかった机で食べるより、少し片付いた空間で食べる方が、心も体もリラックスします。
どんな気持ちをしてる人と食べるかで、食事の質は変わります。ひとりで食べる時間もどんな気持ちで食べるかで消化を助け、心を穏やかにしてくれます。

これらができていて、食べ物のエネルギーを最大限に引き出します【リスペクト】です!

【今日からできる実践ポイント】
① 五感がワクワクする食事を選ぶ
・見て美しい・香りが豊か・食感が心地よい・音(ジュッ、カリッ)が楽しい・味が調和している
五感を使うほど、食事は“体験”になり、オージャスが増えます。

② 食べる空間を整える
・片付いたテーブル・やわらかい照明・テレビやスマホをオフ・深呼吸してからいただく・いただきますと言ってからいただく
環境を整えること自体が“リスペクト”です。

③ 心が落ち着く人と食べる
会話が少なくても、静かでもいい。大切なのは「安心感」。



2⃣ 「お腹が空いたら食べる」─本能が教えてくれる“本当のタイミング”─

アーユルヴェーダでは、アグニ(消化の火) が十分に燃えているときに食事をすることが最も良いとされています。

アグニの火が弱いと、食べ物が未消化になりやすい➙アーマ(未消化物=毒素)が溜まる➙心がにごる➙体調が乱れるなど、心身に影響が出ます。

つまり、「空腹ではないのに食べること」「感情の穴を食で埋めること」「血糖値の乱れで“欲しい”と感じてしまうこと」これらはアグニの火を弱めてしまう行為なのです。

逆に、「お腹が心地よく空いている」この状態は、アグニが高まり、身体が食べ物を受け入れ、エネルギーに変える準備が整っているサイン。

そのタイミングで食べる食事は、オージャスを増やし、心と身体の両方を充たしてくれます。

【今日からできる実践ポイント】
▷胃がスッキリして空いていますか?

▷血糖値が下がって“欲しさ”だけで食べていませんか?

▷イライラや不安を食べ物で満たそうとしていませんか?

この3つの質問は、アーユルヴェーダでいう 「本当の空腹」 を判断する指標にしてみてください。



3⃣ 「土地のものを、その季節に食べる」─自然のリズムと私たちはつながっている─

「その季節、その土地で採れるものを食べる」これはアーユルヴェーダの大原則そのものです。
その土地には、今その場所で暮らす人に必要な栄養やエネルギーが宿っています。
夏なら身体を冷やす野菜や果物、冬なら身体を温める根菜、梅雨にはデトックスを助ける食材。

自然は、私たちが生きるのに必要なものを、必要なタイミングで与えてくれます。
だからこそ、土地のもの・旬のものは身体にとって「薬」になります。



4⃣ “食は薬”。しかし──薬は「毒」にもなる

消化が十分に進まなくなると食物は【毒】にもなるのです。
これはアーユルヴェーダの深い教えです。

どれほど良い食材であっても、どれほど丁寧に作られた料理であっても、アグニが弱い状態で食べてしまえば、それは毒(アーマ)になる。

逆に、質素な食事でも、良い気持ちで食卓につき、丁寧に味わいながら食べれば、それは身体の薬になる。

食事の“質”を決めるのは、食べ物そのものだけではなく、食べる人の心と状態なのです。



5⃣ 結び─食べることは、自分自身への“リスペクト”でもある─

アーユルヴェーダの食の教えは、難しい専門知識ではなく、本来誰もが持っている“感覚”を呼び戻すためのものです。

♡五感がワクワクする♡気持ちが整う♡心がほほえむ♡自然のリズムに合う

それが「食べる=リスペクト」。

丁寧に食べるという行為は、自分自身を丁寧に扱うということ。

日々の食事が、あなたの心と身体、そして魂に、やさしいエネルギーとして循環しますように。


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